朝晩、ずいぶん冷え込んできました。木々の葉の色づきも急速にすすみ、落ちる葉の数も日に日に増し,秋の深まりを感じるようになりました。秋晴れに誘われて、紅葉散策もいいですね。
あったか~い飲み物や鍋物が恋しい季節です^^。
みなさま、おげんきでしょうか。

今年7月、大津でおきたことをきっかけに、改めて多くの子どもや大人が”いじめ”にむきあっています。
大津の報道の翌週は、自分や自分の周りに起きているいじめのことで、チャイルドラインへの電話件数は、前週の1.5倍でした。大人も自分たちのできる形を模索しています。下記の「ストップいじめ!ナビ」も
その一つでしょう。チャイルドラインの番号が多くの子どもの心にとまるきっかけになるなら歓迎です。
県教委も児童生徒が安心して学ぶことができる環境づくりをめざし、校内での取組みに活かす努力を図っています。
内閣府は、2012年9月に「自殺対策大綱」を見直し改正しました。
そこには、~誰も自殺に追いこまれることのない社会の実現を目指す~と、目指すべき社会を明示してあります。
若年層の自殺は、増加傾向にあり、15~39歳の死因の第1位が自殺となっているのは先進7カ国では日本のみです。

いじめる、いじめられる、学校を休みがち、食欲がない、体調を崩す・・・・
ちいさな日常の変化や、様々な子どもからのサインに想像力をもって見つめていきたいものです。

「ストップいじめ!ナビ」がスタート!(10月8日10:00より)
http://stopijime.jp

いじめによる子どもの自殺が相次ぐ中で、自殺対策支援センター・ライフリンク代表の清水康之さんや、ジャーナリストの江川紹子さんらと、ニコニコ動画が協働、「ストップいじめ!プロジェクトチーム」を結成し、子ども向けポータルサイト「ストップいじめ!ナビ」が立ち上げられました。
サイトでは、チャイルドラインなどの相談先や、いじめを受けたときの対処法など、いじめに悩む子どもたちへの情報提供を行っています。

トップページを開くと、最初にチャイルドラインの番号が目に入ってきます。
話やメールで相談したり、いま起きていることをメモに記録したり、他の人たちの経験を参考にしたり、イザとなったら弁護士や警察に相談することだってできます。このサイトにはいろいろな方法がのっています。

◆チャイルドライン(18歳まで) …0120-99-7777
月~土 16~21時(東京,埼玉,栃木,山梨,愛知県は毎日16~21時)、年末年始12月29日~1月3日はお休み

◆24時間いじめ相談ダイヤル …0570-0-78310

◆子どもの人権110番 …0120-007-110
月~金 8時30分~17時15分 ※祝日・年末年始(12月29日~1月3日)を除く

親と子のリレーションシップほくりく2012 とやま
~子どもと一緒に考えよう!親と子のいいカンケイ~

精神科医、明橋大二氏を代表に子どもや親に関わる団体が集まり、「親と子のリレーションシップほくりく」をつくり、昨年6月に金沢で発足集会をおこないました。

今年は富山の団体が準備して富山大会を10月14日(日)に開催しました。
富山ダルク(※)の方たちによる迫力ある太鼓の演奏で会は始まりました。
プログラムは以下のとおりです。
※薬物依存者に身体的、精神的、社会的援助を提供をすることによって、依存症から回復を手助けし、将来の社会的自立を目指した、薬物を使わない生き方のプログラムを実践していきます。(ダルクHPより)

基調講演/講師:荒牧重人氏(山梨学院大学法科大学院教授)
テーマ「子どもと大人のパートナーシップ」~子どもの権利条約から考える~

シンポジウム
テーマ「子どもと一緒に考えよう!親と子のいいカンケイ~

分科会
1「親の心、子どもの心を見つめて」~ある学校の取組みから~
2 不登校シンポジウム~子どもたちからのメッセージ~
3「子育て支援!THE First~新たなる希望~」
4 親と子の「いいカンケイ」って…!?
5「すべての子どもに安心・自信・自由の権利を」
6 中高生分科会「中高生 子どもの本音」
7 小学生分科会「家や学校のこと」

基調講演は、子どもとおとなのいい関係をつくるために、子どもの権利条約について、子どもの意見表明・参加の権利とその支援、の三つの視点で話されました。
「子どもの権利」の基本は、「いのちの権利」であること、そして、子どもが人格と尊厳を持つ存在であることを前提に、子どもの生きる力・育つ力を信頼して、子どもの存在をまるごと(「あるがまま」を)認め、子ども支援を!と、講師の穏やかな語り口の中から大切な要素をたくさん頂いた時間でした。
こうしたお話は、繰り返し学び、理解を新たにし続けなければならないと想いを新たにしました。

シンポジウムは、圧巻でした!壇上の前列に小学生、後列に中学生が並び、下にあるテーマで子どもたち自身の言葉で話してくれました。
緊張もあってか、なかなか話しださず、それでも躊躇しながら、やおらマイクを持ち、親や先生との関係で、言われていやだったこと、その時、こんな気持ちになった・・・など、訥々と話す、まさしくLiveな時間でした。
その後、分科会を経た全体会報では、 「子どもが思う大人のいいところ」を書き出した模造紙を持って分科会の報告をしてくれました。

■「子どもが思う大人のいいところ」の一部

□やさしく話をきいてくれるところ・・・やさしく話をきいてくれると心が落ち着く
□相談して奔走してくれるとき・・・安心感が芽生える
□うっとうしくなくて、つべこべ言わず、かまってほしい時にかまってくれる大人がいい
□同じ目線で話してくれる
□やさしくきいてくれる
『でもそういう大人がなかなかいないけど。。。』という子どものつぶやき。。。。。

■「子どもが思う大人のいやなところ」の一部

□くどくどと文句を言う大人
□途中で話を終わらせる大人
□前のことを蒸し返す大人
□「言い訳」と言って、子どもの話を認めてくれない
□比較するところ
□「宿題やって!」とか傷つく言葉を言わないでほしい
□大人の何気ない一言がグサっとくる
思い当たること、耳の痛いことばかり。。。。。。。

そして、こんなつぶやきも・・・
「ふんでもふんでも 起き上がってくる子どもばかりではない。。。」

最後に、明橋さんや荒牧さんのコメント

・こういう子どもの言いぶんがあることを知ることが大切。
・こまかくかまって子どもの反応を観察してほしい。
・受けとめるよ・・・この中で子どもは話せる。

 

自殺予防週間特別講演を簡単にご報告させていただきます。

演題「こころのサインに気づく、つなげる」自殺予防の基礎知識
講師:高橋祥友氏(筑波大学教授)
日 :2012年9月14日(金)会場:地場産業振興センター

○自殺を理解するキーワードは、孤立である。
○救いを求める叫びに気づくことが自殺予防につながる。
○自殺者は、交通事故死の10倍の数に、その10倍が未遂者数。そしてさらにそれらの影響を受ける人たちは、百数十万人になる。
○自殺者の急増の背景には、’90年以降の?人員整理、?成果主義の導入、?非正規雇用の増加などが考えられる。

厚生労働省から出ている自殺予防10カ条(下記参照)の特に(2)についても話されました。

(1)「うつ病の症状に気をつける」
(2)「原因不明の身体の不調が長引く」
(3)「酒量が増す」
(4)「安全や健康が保てない」
(5)「仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う」
(6)「職場や家庭でサポートが得られない」
(7)「本人にとって価値あるものを失う」
(8)「重症の身体の病気にかかる」
(9)「自殺を口にする」
(10)「自殺未遂に及ぶ」

特に(2)では、自殺に発展しかねない精神疾患の早期発見と適切な治療への導入が重要である、と。

風邪は万病の元といわれるが、うつ病は「こころの風邪」。様々に表出する症状の治療は、心の病の治療とは別。背景にある心の病を治すことが大事。

日本社会全体が抱えている先行きの見えない閉そく感の中で、自分は自分でいいと認めること、ありのままの自分を受け入れることが大事。子どもにも大人にも、そして自分自身にも、「良く頑張ってるね」と声をかけあうことが大切と思いました。
いじめ・虐待・人間関係など、子どもの周りは死に直結することで満ちています。それにつけてもチャイルドラインやいろいろな相談機関の役割と必要性をあらためて感じさせていただいた一日でした。

ご参加、ありがとうございました!

映画上映会・・・11月11日(日)
「大きな家~タイマグラの森の子どもたち」
(金沢市児童虐待防止活動事業)

当日は、北陸特有の冷たい雨の降る寒い一日でした。
子どもをいろいろな視点でとらえていただき、子どもを想う大人の理解につながる発信を様々にしており、今回の映画上映もその一つです。来て下さった方々の感想を一部、ご紹介させていただきます。

★豊かな自然の中で四季の美しさや動植物との関わりをとおして生命の大切さ、
優しさを体験から見につけていく子どもたちに感動しました。
★自然があって当たり前の毎日だった小さい頃の事を思い出しました。
★長時間でも、我が子は楽しくみていました。
★自然の素晴らしさをナイスタイミングで撮られていてすばらしかったです。
★すごくおもしろかったです。大きな絵本を読んでるみたいでした。
★多くのことが読みとれます。子育てが多くの要素を必要としていることがわかります。
★動物、植物、自然との子どもの接触が与えてくれるものを感じました。
生長のみならず死も含めて、いじめ、虐待はやはりこのような実体験の欠如が背景にありそうです。
★薪を切る、運ぶ、並べるなど、生活に関わる仕事があるって素敵だと感じました。
★においが伝わってきて、皮膚感覚のある映画だった。
・・・・・など。

興味深くみていた子どもたちに感動しました。
こうした小さな機会をゆるやかに続けていけたらと思います。