震災前に抱いていた夢をあきらめる方向で就職先や学校に進むことにしたと話す子どもたち。方向転換を自身で決めたとしても、日々、揺れる気持ちが電話から聞こえてきます。
子ども達の声を社会に発信すること、子どものまわりにいる大人が 学びあうことの必要性を感じます。
子どもたちの声からみえてくるもの・・・・
しんどい、疲れる、めんどくさい、、、、
そして、自分の存在にどこか不安を抱いています。
不安を抱えたまま、子どもたちが大人になったとき、社会は、それに比例して疲弊していくように思います。 “相談してもどうせ何にもならない”と思いながら電話をかけたという子から、『なんか聴いてもらってスッキリ、ありがとう!』の声がかえってきました。・・・ささやかなこうした実感が、その子の生きていくエネルギーにつながればうれしいです。すぐには評価も結果もみえない活動だけど、こんな声が伝えられると,また,頑張ろうと思えます^^。
中・高生の時に「カード もらったことあるよ!」 「大事な活動だから頑頑ってほしい」という声が学生から返ってきました。
ずいぶん前の1月の朝、金沢大学の1・2年生の授業にゲスト講師としてお話しをさせていただく機会がありました。話した私(高木)自身にも多くの気づきがあり有意義な時間でした。中・高生の時にカードをもらったという人がいて、「へぇ~、そうなんだ」と、積み重ねてきた活動が思い起こされて、なんだか妙に感動しちゃいました。
その二日後に、中学生女子が同級生の 子に援助交際を強要してお金をまきあ げていたというニュースがありました。自分が傷まなければ、相手の痛みなど どうでもよいとしか思えない行為に 驚くばかりです。脅されていた子の恐 怖はどんなだったかと思い胸が痛くな ります。インタビューされた同年代の 子どもたちでさえ、「やったこと全部 悪い、ひどい」と応えるほど凄惨な事件です。
・・・だれかに 相談すれば 良かったの にと思うの はたやすい けど、、、
いま、子どもたちの心は・・・
自分の感情を言葉にすることのむずか しさやもどかしさを、誰よりも子どもた ち自身が感じています。
そしてそれに置き換える表情やしぐさ、 まなざしに気づく大人が少なすぎる事を。
「もっと自分を大事に思いなさい」と 諭す前に、そして「自己肯定感が低い」と 今の子どもたちを不思議がり、嘆く前に、「あなたを大切に思っているよ」のメッ セージを、私たち大人が、どれだけ子ど もたちに伝えようと接してきていたのか をかえりみる必要を、子どもの電話から 実感しています。
【チャイルドライン・いしかわ】では、 子どもの辛いことや寂しいこと、不安な こと、そしてうれしいことも、どれも丸 ごと信じ耳を傾け、受けとめます。「受け入れられた」「聴いてもらった」 という実感があってはじめて、子どもは 明日を生きられます。
子どもの「心の居場所」のひとつとし て、【チャイルドライン・いしかわ】の 存在が、子どもの心の中に位置付いてい るとしたらうれしいです。